読みに来ていただきありがとうございます。
転職アドバイザーのクッキング父ちゃんです。(嘘です…)
今回は超大作だからさ目次をつけとくよ…
頑張って読んでおくれ…
目次
人生ってさ常に「迷い」があってさ、その都度色々な「決断」をしていく訳ですよ。
『進学』『就職』『転職』『結婚』『離婚』『ギャンブル』『ラーメンの種類』等々毎日小さな事も含めてさ決めなきゃならない事って腐る程あるんだよね。
自分で選択した『決断』が成功することもあれば失敗することもある。
どちらかというと失敗の方が多い気がします。
だけどさ…
どんなに失敗したってさ全て自分の経験になる訳でしょ…
だったらさ常に胸張って前向きに生きて行こうじゃありませんか‼️
これは『クッキング父ちゃん』というロスジェネ世代の男がリーマンショックという大不況に立ち向かう壮大なストーリーである…
2008年初春
当時の私は中堅不動産会社の業務課で勤務していた。
顧客の融資について各銀行と交渉する重要なセクションだ。
仕事内容にやりがいも感じており所得もそこそこいただいていたんだ。
特に仕事に対して不満があった訳ではない。
そんなある日、一本の電話がかかってきた。
『父ちゃん、今度親父から出資してもらって新規の会社を立ち上げる事になったんだ。』営業部門で働いていたA主任からだ。
話を聞いてみたところ、不動産業を営んでいる父親から、『将来の後継の事を考え金出してやるから自分で会社を立ち上げて切り盛りしてみろ』って提案されたそうだ。
『ん?会社辞めるの。』
『そうだよ。会社辞めて自分で会社を立ち上げるんだ。』
『すごいね。頑張ってくださいね。』
『 いや…違うよ父ちゃんも会社立ち上げを手伝ってくれよ。うちの宅地建物取引主任者として働いてくれよ。事務系のトップとして迎えたいんだ。』
『いやいや無理だから。』
そりゃそうでしょ…だってさ住宅ローンもあるし子供もまだ小さいしそんなリスクある事できねぇよ…
私は丁重にお断りしたんだ。
業績悪化
それからしばらくして勤務先の業績が悪くなってね…
勤務先の会社が賃金の大幅カットを始めたんだ。
まずは残業一切禁止。
当時の私は残業代で15万ぐらい稼いでいたんだよね…
痛い…痛すぎる…
でもね家族の事も考えて頑張っていくしかない…
そう決意したんだ。
それから数ヶ月して今度はボーナスカットですって…
まじか⁉️
住宅ローン払えねぇじゃねぇか…
しかし会社辞めてもアラフォーの何の取り柄のない私に転職先なんかあるわきゃねぇ…
ここは忍耐だ。貯金を切り崩して対応するしかねぇ…
それから数週間もしない間に今度は基本給20パーセントカットの通達が…
おいおい俺を殺す気ですか…
年収40%オフってどっかの電気屋のCMじゃねぇんだよ…
こっちは生活がかかっているんだよ。
会社からは『生活が厳しい人には会社お金を融資します』と『副業を認めます』との説明が。
会社から融資受けてもこんな収入じゃ返せねぇ…
バイトでもすっか…
当時の私の給与を時給換算すると2,600円程度は稼いでいたんだけど、アルバイトの給与じゃ不足分を補うことは出来ない…寝ずに働けって事か…
こりゃ無理だ…
そんな時電話かかってきたんだ。
もちろん例のA主任からだ。
彼はとっくにうちの会社を辞めて、着実に開店に向けて準備をしているとの事だ。
『父ちゃん。大変でしょ?うちの会社立ち上げ手伝ってよ。条件は今の会社よりはるかにいいでしょ。』
そりゃ魅力的だよ…
でもさ妻に何て言ったらいいんだ…
不安しか与えないじゃないか。
『まぁこっちはいつでも大丈夫だからさ本当にやばくなったら声かけてね。』
そんな優しいお誘いに対し、曖昧な返答をした私…
しかし…今の状況を考えるとめちゃくちゃ魅力的な提案だったんだよね…
俺はビビリのチキン野郎なんですよ…
新規で会社を立ち上げるなんて今までの人生で経験した事もないし…回答なんか出来ねぇよ…
2008年9月
ある事件起きて世の中に激震が走りました。
アメリカの投資銀行であるリーマンブラザーズが経営破綻したんだ…
世界規模の金融危機の始まりだ…
『うちの会社大丈夫なのか。』
職場でもそんな会話が飛び交っている。
リストラ
数週間が経ち。
直属の上司から報告があり大幅に人員カットするとの事だ…
おお…これがドラマなどで良く見るリストラってやつか…初めて見たぞ…
全く自分に降りかかっている事だと認識できねぇ…
まずは希望者を募るらしい
明日から回答受付るそうだ…
これはガチでやべぇやつだ…
3度目の誘い
その発表があった数時間後に携帯に着信が。
『父ちゃん。会社から発表あったでしょ。A店のB課長と父ちゃん仲良かったよね。ここだけの話だけどB課長に専務やってもらう事が決まったから、父ちゃんもそんな会社辞めて3人で会社立ち上げようよ。』
『ん?』まだ会社立ち上がってないのか…
疑問に思い聞いてみると。
今は父親の会社に籍を置いて準備しているとの事だ。
こんな私を3回も誘ってくれた…
これが世に言う三顧の礼ってやつか…
捨てる神もありゃ、拾う神もあるって事か…
ここで断ったら男が廃る…
『わかった…一緒に頑張るから不動産会社を立ち上げる手伝いをさせてください。』
ずーっと抱えていたモヤモヤがスッキリした瞬間だった。
これは人生の選択ってやつだね。
散々迷っていた自分の時間ってなんだったんだ…
いや…この時間があったからこそきちんとした決断が出来たんだ。
この決断は間違っちゃいない…
とりあえず妻に報告すると意外にも反対はされなかった。
『ただ本当に大丈夫なの』ってそりゃ心配だよね。
実はね妻に対しての義理を果たすためにA主任(これからはA社長と呼ぼう)に資本金のエビデンスを出して欲しいとお願いして通帳のコピーはもらっていたんだ。
このお金の中から様々な経費を差っ引いても半年は、今まで以上の給与は約束してもらえる事になっているからと安心して欲しいと説明してとりあえず納得してもらった。
退職
翌日、お世話になった直属の上司に会社辞めますって伝えたところ『やっぱり父ちゃんが1番のりか…絶対に父ちゃんが真っ先に言ってくると思ったよ。』と言われたんだ。
『仕事が出来て自分に自信があるやつが辞めるんだよ。私としては父ちゃんには辞めて欲しくはない…だけどこれ以上の待遇は保証できない。残るも地獄…辞めるも地獄だな…』上司が寂しそうに呟いたんだ。
『長い間本当にお世話になりました。』上司そう言って会社を去った…
2008年11月の出来事だった…
心機一転
『父ちゃんこれから頑張ろうな』A社長とB専務だ。
とりあえず事務所はないので高級な居酒屋の個室で初めて3人での顔合わせだ。
営業でバリバリやっていただけあって2人とも前向きで楽観的だなぁぁ…
これからの仕事の流れを決めた。
まずは事務所を決めて1月オープンを目指すそうだ。
A社長は開業に向けて色々な打ち合わせがあるのでB専務と私は事務所探しと、不動産の物件の下見などをひたすら行っていた。
その後3人での打ち合わせはほとんど無くB専務と私2人きりで色々な事を決めA社長に電話で連絡をしていくというスタンスで時間は過ぎて行った。
H市のX駅前の空き物件を事務所にする事にしてA社長へ連絡し年明けに契約を交わす事にした。
奈落の底へ
正月三が日も終わり、いざ事務所の契約へ。
妻からは『気合い入れて頑張ってね。』との激励の言葉を背に現地へ向かう。
現地にはB専務が待っていた。
『父ちゃん。いよいよだな。3人で頑張ろう』なんかすげぇ気合い入れてんな…
まぁそりゃそうだよね。俺も頑張ろう。
現地に不動産会社の社員が到着ししばらく話しをしていたが、一向にA社長が来ない。
『父ちゃん社長は?』
『ちょっと連絡とってみるね』
…
…
…
えっ⁉️
電話出ねぇ…
『社長電話出ないよ‼️』
『マジか』
社長来なきゃ事務所の契約できない…
不動産会社の社員にお詫びを言いとりあえず帰ってもらった…
『父ちゃんどうしよう。』
『とりあえず社長探すしかないでしょ‼️』
しかし一向に行方がつかめない…
そのまま日が暮れて…
『父ちゃんこれからどうする。』
『ん〜そうだね。とりあえず家に帰って嫁さんに謝ろう…』
『そうだね。』
翌日待ち合わせ時間を決め専務と別れた。
失業
家に着き妻に事情を話した。
妻の目からは大粒の涙が…
そりゃそうだよね…
今までの不安が爆発しちゃうよね…
妻からはたくさんの言葉が…
しかし何も言い返せない。
とりあえず安心させようとして『大丈夫すぐ就職活動して就職先探すから』ってね言っちゃったんだ…
『世の中不況で就職先が無いってニュース見てないの…もうすぐ40のおっさんが就職活動して仕事なんか決まるわけない‼️』と泣きながら妻が言った…
おっしゃる通りですね…
翌日専務と今後の事を話し合ってお互い就職活動をすることにした。
『Aとは連絡つかない…あったらぶっ飛ばしてやる』そりゃ怒るよね。
俺も怒ってるよ…でもさ怒るより就職先だよね。
とりあえず時間勿体ないからお互い元気に頑張ろうって言いB専務と別れたんだ。
ところでさ…会社辞めちゃって無収入ってこれは…世に言う『失業者』って事か…
いや…そもそも転職って会社立ち上がってないんだから前職辞めた時点で失業してったって事か…
このタイミングで失業なんてさ…
マジで勘弁してくれよ…
もうさ空を見上げるしかなかったんだ…
エピローグ
2013年夏
蝉の声がやたらとうるせぇ…
あちぃ…
『父ちゃん〜久しぶり』
『あっ‼️B専務。ご無沙汰です。』
『父ちゃん…専務はやめてよ』とBは笑った。
その後Aは行方不明になり一切連絡は取れない…
もしかしたらAは、何か事件に巻き込まれたのかもしれない…
いや…お父さんの会社って言うのも含め全部嘘だったのかもしれない…親父が不動産会社経営してるって言うのは周囲が言っていたのを信じ切っていたから確認してないんだよね…
もし嘘だったなら…
私とB課長を騙して彼に何のメリットがあったのだろうか…
しかしそれを確かめるすべはもうない。
あの時私が『迷い』そして下した『決断』は正しかったのだろうか…
ただわかっている事はBは元いた会社に戻り店長として勤務している。
そして私は…
大手金融機関へ再就職し元気に仕事をしている。
人生には『迷い』そして『決断』をしなきゃならない時がある…
どんな結果が待っていたとしても諦めたらそこでゲームオーバーって事だ。
『事実は小説よりも奇なり』とはよく言ったもんだ…
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